White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「このネックレスが気になる?」


フッと不敵に笑う神月先輩。


「いえ…別に…」


「見覚えありそうな顔するから、気になってんのかと思った」


ニッコリ笑っているけど、その目は少しも笑っていなくて、冷たい光を宿していた。


怖い。


やっぱり、絶対に裏がある。


神月先輩が私を好きになるはずがない。


なにか嫌な予感がする。


ここにいてはいけない。


「あ、あのっ!私、帰ります。姫にはならないし、彼女にもなりませんっ」


「無理。お前に拒否権ねーから」


「困りますっ。朝浜くんも何とか言ってよ…」


さっきから事態を静観しているだけ。


いつもの明るくてよく喋る朝浜くんの欠片もない。


「ごめんねー、唯ちゃん。仁が決めたことは絶対なんだよ。大人しく姫になって?ね?」


…そんな…。


朝浜くんまで…。
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