White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「世の中の女なんて、キーキー騒いで媚び売ってくるだけだと思ってた。だけどお前は違う。俺に興味なさそうだし、賢そう。俺はそういう女が好き」


……ただ根暗で地味なだけなのに、まさかそんなふうに見てもらえてたなんて。


「…変な人ですね」


「あ、笑った。せっかく笑ったら可愛いんだから、もっと笑えばいいのに」


…っ!


男性への免疫がないのに、そんなこと言われてしまったら身体が硬直してしまう。


どう反応すればいいのかわからない。


きっと、もっと可愛い反応をすべきなんだけど、キョドることしかできない自分が情けない。


「俺がお前の笑顔を増してやる。だから俺に身を任せろ。俺のものになれ」


…なんだろう、この胸のざわめきは。


今ここで選択を誤れば、私の未来はなくなってしまうような気がする。


でも…彼になら、身を預けても良いかもしれない。


どうせ先のない人生。


変わるなら今。


―コクリ


全く想像もしていなかった未来の扉が今、開いた気がした。
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