White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「本名年齢は不詳、どこかの族の人間なのか、一匹狼なのかも不明。名乗るのは“シロ”という通り名のみ。そんな不気味な女がこの街にいると困んだよ」


神月仁があたしを恐れている?


だからわざわざあたしに声をかけた?


…おもしろい。


「お前の正体はどこの誰だ。誰の下で動いてる」


「自分が支配下に置いているこの街で、素知らぬ女が暴れてるのが怖いの?」


雑居ビルには外から屋上へ行ける非常階段がある。


神月仁がカン…カン…っという金属音を響かせながら階段を降りてくる。


「あんた、何か勘違いしてない?この街の支配者はあんたじゃないよ」


白虎に反対する勢力をいくつも知っている。


白虎は噂ほど大きな族じゃなくて、実は少数精鋭だという情報も入ってきている。
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