White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「ここは白虎の拠点からは離れてる。なのにここにいたってことは、あたしがここを通るのを知っていて、わざわざ狙ったんでしょ?なんのつもり?あたしを味方勢力に引き入れたいの?」


神月仁が地上に降り立った。


さすがにこの近距離で対峙するとオーラが違う。


今までこんなに圧を感じた人間はいない。


「よく喋るな。ビビってんの?」


フッと鼻で笑い、不敵な笑みを浮かべる神月。


「はぁ?そんなわけないでしょ。ただあなたが反論できなかっただけでしょ?」


「そういうことにしといてやってもいいが、1つ忘れてないか?」


「……何」


「俺はお前の顔をハッキリと見た。お前の素性を暴くのも時間の問題だ」


……。


…馬鹿なんだ、この人も案外。


「顔だけ見てなんの情報になるの?写真を撮ったわけでもないのに?顔だけであたしの素性がわかるわけないでしょうに」


それに、あたしの秘密にたどり着ける人間なんていない。


「ま、そう思いたきゃ思っとけよ」
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