White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
付き合ってはないけど…。


仁くんは私が大くんや他の幹部と接触するのを嫌がる。


あからさまな束縛はしてこないけど、内心嫌がってるのは見ればわかる。


「仁のこと好きなの?」


「え…。うーん…。私のことを好きって言ってくれる唯一の人だから、大切にしたいなって思ってるよ」
 

好きとかそういうんじゃないけど…。


「…私、初めてなんだ。誰かに好きって言ってもらえたの。初めて存在価値を認められたような気がして嬉しかった」


「そっか。仁が聞いたら喜ぶよ」


「ごめんね、暗い話しちゃって」


「ううん。唯ちゃんのこと知れて俺も嬉しい」


ニッコリ微笑む大くんに救われる。


大くんの笑顔はいつも私に安らぎをくれる。


「じゃ、仁のところ行こうよ。1限は古典だしサボってもいいっしょ」


「…だね。行こう」


「へ〜?唯ちゃんがサボりなんて珍しい。よっぽど仁に会いたいんだね」


「そういうわけでは…」


ニマニマしている大くんを放って先に教室を出る。
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