White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「ね、仁様こっちに近づいてきてない!?」


「ほんとだ!目合っちゃったかも!」


近くにいる女子たちが騒ぎ立てる中、私はそそくさと校舎に逃げ込む。


あぁいう華々しい人を見ると嫌悪感に陥る。


いかに自分が地味で、暗くて、価値がないか思い知らされるから。


「おーい」


早く帰りたい。


1分1秒でも早く、この学校から逃げ出したい。


ここに私の居場所はない。


…この世に、居場所なんてあるのかどうかわかんないけど。


「おーーい。聞こえてねーの?」


居場所なんて、どこにもないか。


おばあちゃんに引き取ってもらったけど、私にとっては会ったこともない父親の親。ほぼ他人。


そんな人の家に居候させてもらっていて、肩身が狭い。


高校を卒業したらすぐに出ていかなきゃいけない。


「チッ。耳悪すぎだろ。そこの地味女!」
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