元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
「妊娠すると困る。今いっぱい仕事抱えてるし、体調が不安定な状態で結婚式を迎えるのも不安だし」
「気にしすぎ。世の中には妊婦で結婚式してる女いっぱいいるよ? てかさー、そういうこと言うなよ。マジ萎えるわ」

 なぜ優斗は私の身体のことを考えてくれないのだろう。 
 これって妊娠中も体調悪くなったら文句言われるのかな。

 優斗はわざとらしくため息をつく。

「紗那は相手を思いやる気持ちが足りないよね」
「えっ?」

 どっちが? ねえ、どっちが!?

「こんなムードぶち壊しばっかされるとやる気なくす」

 なに、なに、なに!?
 優斗、私の予想以上に自分のことしか考えてない!

「なんか俺、マリッジブルーだわ。結婚しても仕事があるからとか言われて拒否られんのかなー」
「しないとは言ってないよ。でも家族計画は立てたほうがいいと思う」
「子どもは何人いてもいいって母さんが言ってたよ」

 また、お母さん。
 そうやって何か都合が悪くなると義母と私を比較する。

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