元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
 紗那は酷く落ち込んで仕事に支障をきたしているようだった。
 でも大丈夫。もし紗那が仕事を辞めて住む場所に困ったら、あたしが保護してあげるから。
 紗那は家事も料理も得意だから、あたしが仕事をして紗那を養ってあげてもいいと思ってる。幸い、あたしは仕事がうまくいってて出世街道まっしぐら。
 紗那はバイトでもしてあたしが帰宅するのを待つ暮らしでもいいのよ。

 一生をともにするのは何も異性でなくてもいいの。紗那の苦しみを理解してあげられるのはあたしだけ。

 そう思っていたのに、あの男がまたしゃしゃり出てきた。
 しかも、今度は社内の人間が多数いる中で堂々と宣言したのだ。

「俺と彼女は付き合っている」

 は!?
 バカじゃないの。
 自惚れんなよ、月見里千秋。
 紗那のことを一番理解して、紗那のすべてを受け入れて、紗那の人生を守っていくのはこのあたしよ!!!

 怒りで爆発しそうになったけど、とりあえず冷静になって考えた。
 再び乃愛を利用するしかないと思った。

 乃愛に金を渡して千秋を誘惑してもらうことにした。すると千秋は簡単に乃愛に堕ちてホテルに行った。
 あははっ、やっぱり男ってみんな同じ。優秀な皮を被っていても女の色気ですぐに陥落するんだから。

 ほんと、単純すぎて笑いが止まらないわね。

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