元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
19、すべてに決着を
私は千秋さんと一緒に帰ることになり、急なことでバタバタしてしまった。近所の人たちは「もう帰るのー?」と寂しがってくれたけど、おじいちゃんは相変わらずあまり反応がなかった。
千秋さんが迎えに来てくれて私が荷物を持って出ようとしたとき、おじいちゃんは玄関先まで見送ってくれた。
私は頭を下げて礼を言った。
「突然だったのに私を置いてくれてありがとう。お世話になりました」
すると、おじいちゃんは仏頂面でぼそりと言った。
「まったくだ。死にそうなツラして来やがって」
「ごめんね」
「紗那」
「うん?」
「次はもう少しまともな顔で来い」
その言葉に一瞬戸惑ったけど、すぐに意味がわかって私は笑顔で返した。
「うん、ありがとう」
おじいちゃんは千秋さんをちらりと見て軽く会釈をした。
すると千秋さんは満面の笑みを返した。
タクシーに乗って最寄り駅まで行く途中、私は千秋さんにお礼と補足をした。
「おじいちゃん、不愛想なんですけど、本当は優しいんです」
「わかるよ。君が緊急連絡先を実家ではなくここにしていたのはおじいさんを信頼しているからだろう」
「はい」
「信頼できる家族がひとりでもいてよかった」
千秋さんはまるで安堵したように微笑んで、私は黙ってうなずいた。
千秋さんが迎えに来てくれて私が荷物を持って出ようとしたとき、おじいちゃんは玄関先まで見送ってくれた。
私は頭を下げて礼を言った。
「突然だったのに私を置いてくれてありがとう。お世話になりました」
すると、おじいちゃんは仏頂面でぼそりと言った。
「まったくだ。死にそうなツラして来やがって」
「ごめんね」
「紗那」
「うん?」
「次はもう少しまともな顔で来い」
その言葉に一瞬戸惑ったけど、すぐに意味がわかって私は笑顔で返した。
「うん、ありがとう」
おじいちゃんは千秋さんをちらりと見て軽く会釈をした。
すると千秋さんは満面の笑みを返した。
タクシーに乗って最寄り駅まで行く途中、私は千秋さんにお礼と補足をした。
「おじいちゃん、不愛想なんですけど、本当は優しいんです」
「わかるよ。君が緊急連絡先を実家ではなくここにしていたのはおじいさんを信頼しているからだろう」
「はい」
「信頼できる家族がひとりでもいてよかった」
千秋さんはまるで安堵したように微笑んで、私は黙ってうなずいた。