元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
 やだ。気持ち悪い。
 いつから乃愛と会っていたの?
 乃愛と浮気していたの?

 乃愛を抱いた手で私のこと抱いたの!?

「最悪……キモチワル」

 吐き気がしてきてトイレに駆け込んだ。
 猛烈な嫌悪感が襲ってきて腕に蕁麻疹が出た。

「やだ、やだ、やだ……サイテー」

 勢いでトイレットペーパーをカラカラしてしまった。
 長く伸びたペーパーをくしゃっと握りしめる。

「え、何……帰宅が遅くなっていたのは、仕事じゃなくて……?」

 そういえば、残業の日はいつもリビングに入る前にお風呂に直行する。
 もうずっとそうだから気にしなかった。

 けれど、そういうことならずっと前から乃愛と関係があるってことだよね?
 少なくとも去年のクリスマスは乃愛と会っていた。

「おーい、紗那。俺のメシは?」

 トイレの外から優斗の声がした。
 そのセリフにも腹立たしさが込み上げて、私はトイレのドアを思いきり睨みつけた。

 優斗が他の女と会っているとき、私はクタクタに疲れた状態でご飯を作っていたの?
 最悪。もう無理。優斗も優斗のお母さんも無理。

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