新そよ風に乗って 〜慕情 vol.2〜
「おはよう。 また、 今日からよろしくな」
「あ、 あの……こちらこそ、 よろしくお願い致します」
その後の言葉が続かず、 高橋さんと向き合ったまま沈黙してしまっていた。
仕事をしている時の高橋さんは、 本当にオーラ全開で……久しぶりにその姿を見たせいもあって、 何も話せなくなってしまうくらい緊張していた。
「あまり無理しないように。 リハビリを兼ねて、 これを帰りまでに打っといてくれる?」
「はい」
そう言って、 高橋さんが差し出した書類を受け取った。
受け取ると、 直ぐに高橋さんは何処かに電話をし始めてしまったので、 そのまま自分の席に着き、 目の前の机にのせられていた仕事以外のいろいろな書類の山を片付ける事から始めた。
結局、 その日は月末前で忙しかったが、 私は疲れるからと高橋さんに言われて定時で上がらされてしまった。
さすがに、 その日は疲れてすぐに眠ってしまったが、 翌日はスッキリ目覚めてまた今日も頑張ろうと、 気合い十分で会社に向かった。 そして、 その日は少しだけ残業をして3人で一緒に事務所を出ると、 高橋さんが送ってくれるという事になったが、 中原さんはまだ早いし寄りたい所があるとかでそのまま別れ、 本当に久しぶりに高橋さんの車で送ってもらう事になった。
久しぶりに乗る、 高橋さんの車。 助手席に乗ると、 高橋さんの香りがほんのりして、 この空間がやっぱり好きだと再認識してしまう。 また、 この席に座れて良かった。 もう、 高橋さんの車には乗れないと思っていたから……。 あの日。 空を仰ぎながら、 高橋さんが泣いていた夜……車を追いかけて転んでしまって……あれから始まった、 ミサさんとの過去のお話が現実となって目の前に訪れて……。 過去の真実を目の当たりにして、 お子さんの命を最優先に考えて、 別れを選ぼうとしていた。
ああ。
思わず、 目を瞑って首を振った。
「あ、 あの……こちらこそ、 よろしくお願い致します」
その後の言葉が続かず、 高橋さんと向き合ったまま沈黙してしまっていた。
仕事をしている時の高橋さんは、 本当にオーラ全開で……久しぶりにその姿を見たせいもあって、 何も話せなくなってしまうくらい緊張していた。
「あまり無理しないように。 リハビリを兼ねて、 これを帰りまでに打っといてくれる?」
「はい」
そう言って、 高橋さんが差し出した書類を受け取った。
受け取ると、 直ぐに高橋さんは何処かに電話をし始めてしまったので、 そのまま自分の席に着き、 目の前の机にのせられていた仕事以外のいろいろな書類の山を片付ける事から始めた。
結局、 その日は月末前で忙しかったが、 私は疲れるからと高橋さんに言われて定時で上がらされてしまった。
さすがに、 その日は疲れてすぐに眠ってしまったが、 翌日はスッキリ目覚めてまた今日も頑張ろうと、 気合い十分で会社に向かった。 そして、 その日は少しだけ残業をして3人で一緒に事務所を出ると、 高橋さんが送ってくれるという事になったが、 中原さんはまだ早いし寄りたい所があるとかでそのまま別れ、 本当に久しぶりに高橋さんの車で送ってもらう事になった。
久しぶりに乗る、 高橋さんの車。 助手席に乗ると、 高橋さんの香りがほんのりして、 この空間がやっぱり好きだと再認識してしまう。 また、 この席に座れて良かった。 もう、 高橋さんの車には乗れないと思っていたから……。 あの日。 空を仰ぎながら、 高橋さんが泣いていた夜……車を追いかけて転んでしまって……あれから始まった、 ミサさんとの過去のお話が現実となって目の前に訪れて……。 過去の真実を目の当たりにして、 お子さんの命を最優先に考えて、 別れを選ぼうとしていた。
ああ。
思わず、 目を瞑って首を振った。