新そよ風に乗って 〜慕情 vol.2〜
高橋さんが、 それをスッとなぞって拭ってくれる。
「泣くな。 泣くような事はしてないだろ?」
涙を見られたくなくて横を向いた私の左耳もとで、 高橋さんが囁いた。
「男は困難を克服出来た時の達成感の方が、 快楽を覚えるんだ」
その言葉に目を開け、 高橋さんを見た。
妖艶に、 それでいて優しく微笑んだ髙橋さんが、 私の右頬を左手で包み込んだ。
「そんなお前を快楽へと導く事が、 貴ちゃんの、 か・い・か・ん?」
高橋さんは私に愛を刻み込みながら、 その後も優しく抱いてくれた。
寝室には高橋さんと私の肌を擦れ合い重なり合う音と、 高橋さんを感じる私の少し掠れてしまった声だけが聞こえている。 朦朧とした意識の中で、 わかった事が1つあった。
高橋さんは、 私のすべてを知り尽くしているという事。 でも、 私は……まだ高橋さんのすべてを知らない。
「私も……もっともっと、 高橋さんを……知りたい……です」
南の島に、 来ているせいだろうか?
何が……そんな私を開放的な感覚に導いてくれているのかはわからなかったが、 大胆な事を口にしてしまっていた。
「ハハッ……そのうちな」
高橋さんはそう言って優しく微笑み、 私のオデコに掛かっていた髪を掻き上げてくれると、 その後はそんな余裕すら与えてくれなかった。
高橋さんの香りと潮騒の音に包まれて、 本当に幸せな日々を送ったこの5日間。 静養という言葉がピッタリな、 今回の旅行。 計画してくれた高橋さんに、 感謝したい。 そして、 高橋さんとの距離が少しだけれど、 縮まった気がするハワイでの甘い時間。
私の胸には希望の光を放つ、 パライバトルマリンのペンダント。
離陸した飛行機の窓から、 下界に広がるそんなペンダントと同じ色の青い海。 このままずっと髙橋さんとここに居たくて、 日本に本当に帰りたくなかった。
「泣くな。 泣くような事はしてないだろ?」
涙を見られたくなくて横を向いた私の左耳もとで、 高橋さんが囁いた。
「男は困難を克服出来た時の達成感の方が、 快楽を覚えるんだ」
その言葉に目を開け、 高橋さんを見た。
妖艶に、 それでいて優しく微笑んだ髙橋さんが、 私の右頬を左手で包み込んだ。
「そんなお前を快楽へと導く事が、 貴ちゃんの、 か・い・か・ん?」
高橋さんは私に愛を刻み込みながら、 その後も優しく抱いてくれた。
寝室には高橋さんと私の肌を擦れ合い重なり合う音と、 高橋さんを感じる私の少し掠れてしまった声だけが聞こえている。 朦朧とした意識の中で、 わかった事が1つあった。
高橋さんは、 私のすべてを知り尽くしているという事。 でも、 私は……まだ高橋さんのすべてを知らない。
「私も……もっともっと、 高橋さんを……知りたい……です」
南の島に、 来ているせいだろうか?
何が……そんな私を開放的な感覚に導いてくれているのかはわからなかったが、 大胆な事を口にしてしまっていた。
「ハハッ……そのうちな」
高橋さんはそう言って優しく微笑み、 私のオデコに掛かっていた髪を掻き上げてくれると、 その後はそんな余裕すら与えてくれなかった。
高橋さんの香りと潮騒の音に包まれて、 本当に幸せな日々を送ったこの5日間。 静養という言葉がピッタリな、 今回の旅行。 計画してくれた高橋さんに、 感謝したい。 そして、 高橋さんとの距離が少しだけれど、 縮まった気がするハワイでの甘い時間。
私の胸には希望の光を放つ、 パライバトルマリンのペンダント。
離陸した飛行機の窓から、 下界に広がるそんなペンダントと同じ色の青い海。 このままずっと髙橋さんとここに居たくて、 日本に本当に帰りたくなかった。