新そよ風に乗って 〜慕情 vol.2〜
もうちょっと、 高橋さんと一緒に居たいな。 でも、 きっと家に帰ってからも高橋さんの事だから、 仕事をするんだと思う。 だとしたら、 私が邪魔をしたらいけないし、 少しでも高橋さんの負担にはなりたくない。 高橋さんは、 あんな風に言っていたけれど、 何か疲れているみたいに感じられた。
髙橋さんの疲れが、 この週末で少しでも取れますように。
そして、 株主総会当日。
今年も、 高橋さんの晴れ舞台の日がやって来た。
いつもは裏方で、 社長や役員が公の場で高橋さんの作った書類を使って、 説明やら会見やらをしているのだが、 この日だけは前面に出て社長の隣に座り、 説明をする日なのである。 今年も会場の後ろの方で、 堂々としてじっと前を見据え、 株主に説明をしている髙橋さんを中原さんと誇らしげに思いながら、 その説明に聞き入っていた。
これが終わらないと、 会計の決算は終わらない。 だから、 今日が事実上の決算終了日となるのである。
滞りなく総会も終わり、 中原さんと先に事務所に戻ると、 思いがけない人が待っていた。
「陽子ちゃ~ん。 久しぶりぃ」
「や、 山本さん!」
いきなり、 熱烈なhugをされた。
そう……事務所に戻ったら、 山本さんが高橋さんの席に座って待っていた。 そして、 私を見つけて思いっきり熱い抱擁をすると、 後ろに立って茫然としていた中原さんに目をやった。
「あら? 見ない顔ね。 どちらのイケメン?」
そんな事を言われた中原さんは、 ポカ~ンと口を開けてこちらを見た。
うわっ!
私が紹介しないと、 大変な事になっちゃう。
髙橋さんの疲れが、 この週末で少しでも取れますように。
そして、 株主総会当日。
今年も、 高橋さんの晴れ舞台の日がやって来た。
いつもは裏方で、 社長や役員が公の場で高橋さんの作った書類を使って、 説明やら会見やらをしているのだが、 この日だけは前面に出て社長の隣に座り、 説明をする日なのである。 今年も会場の後ろの方で、 堂々としてじっと前を見据え、 株主に説明をしている髙橋さんを中原さんと誇らしげに思いながら、 その説明に聞き入っていた。
これが終わらないと、 会計の決算は終わらない。 だから、 今日が事実上の決算終了日となるのである。
滞りなく総会も終わり、 中原さんと先に事務所に戻ると、 思いがけない人が待っていた。
「陽子ちゃ~ん。 久しぶりぃ」
「や、 山本さん!」
いきなり、 熱烈なhugをされた。
そう……事務所に戻ったら、 山本さんが高橋さんの席に座って待っていた。 そして、 私を見つけて思いっきり熱い抱擁をすると、 後ろに立って茫然としていた中原さんに目をやった。
「あら? 見ない顔ね。 どちらのイケメン?」
そんな事を言われた中原さんは、 ポカ~ンと口を開けてこちらを見た。
うわっ!
私が紹介しないと、 大変な事になっちゃう。