新そよ風に乗って 〜慕情 vol.2〜
「山本さん。 一緒に会計の仕事をしている、 中原さんです。 中原さん。 こちら、 ニューヨーク支社の山本さん。 高橋さんと同期の方です」
「は、 初めまして。 中原です」
「山本です。 Nice meet you! Mr. NAKAHARA」
あっ……。
山本さんが中原さんに、 私にしたのと同じように熱烈hugをしてしまった。
中原さんは、 何が起きたのかと言った体で茫然と立ち尽くしている。 そんなことはお構いなしに、 hugが終わった山本さんは満面の笑みを浮かべながら、 中原さんを見た。
「いい男ね」
「や、 山本さん!」
中原さんを見ると、 いたたまれなかったのか、 真っ赤になって席に戻っていった。
ああ……。
男なのよ、 中原さん。 山本さんは、 男なの。 そう言いたいのだけれど、 やっぱり山本さんを前にしては、 躊躇してしまう。
「貴博は?」
戸惑っていると、 山本さんに聞かれた。
「あっ。 もうすぐ、 総会から戻っていらっしゃると思います」
「そうか。 今日は、 総会だったのね。 貴博の晴れ舞台か……見たかったわ」
そんな山本さんの歯に衣着せぬ言い方に、 中原さんは唖然としながら山本さんを見ていた。 そして、 山本さんは高橋さんの席にまた座って事務所の中を見渡していると、 その行動をお局様の土屋さんや川本さんの視線が、 こちらを向いているのに私でも気づいていたが、 当の山本さんはまったくお構いなしだった。
「何、 人の席に座ってるんだよ!」
不意に高橋さんの声がして、 見ると書類を小脇に抱えた髙橋さんが山本さんの後ろに立っていた。
山本さんがすかさず立ち上がって、 高橋さんに駆け寄った。
「は、 初めまして。 中原です」
「山本です。 Nice meet you! Mr. NAKAHARA」
あっ……。
山本さんが中原さんに、 私にしたのと同じように熱烈hugをしてしまった。
中原さんは、 何が起きたのかと言った体で茫然と立ち尽くしている。 そんなことはお構いなしに、 hugが終わった山本さんは満面の笑みを浮かべながら、 中原さんを見た。
「いい男ね」
「や、 山本さん!」
中原さんを見ると、 いたたまれなかったのか、 真っ赤になって席に戻っていった。
ああ……。
男なのよ、 中原さん。 山本さんは、 男なの。 そう言いたいのだけれど、 やっぱり山本さんを前にしては、 躊躇してしまう。
「貴博は?」
戸惑っていると、 山本さんに聞かれた。
「あっ。 もうすぐ、 総会から戻っていらっしゃると思います」
「そうか。 今日は、 総会だったのね。 貴博の晴れ舞台か……見たかったわ」
そんな山本さんの歯に衣着せぬ言い方に、 中原さんは唖然としながら山本さんを見ていた。 そして、 山本さんは高橋さんの席にまた座って事務所の中を見渡していると、 その行動をお局様の土屋さんや川本さんの視線が、 こちらを向いているのに私でも気づいていたが、 当の山本さんはまったくお構いなしだった。
「何、 人の席に座ってるんだよ!」
不意に高橋さんの声がして、 見ると書類を小脇に抱えた髙橋さんが山本さんの後ろに立っていた。
山本さんがすかさず立ち上がって、 高橋さんに駆け寄った。