天妃物語〜本編後番外編・帰ってきた天妃が天帝に愛されすぎだと後宮の下女の噂話がはかどりすぎる〜
「紫紺、青藍、萌黄に遊んでもらってよかったですね」
「うん、もえぎっておもしろいんだ。ウサギがぴょんってしたらワアッておどろいてた」
「そ、それは青藍様がいきなり泣きだしそうになるから驚いただけです」
「あう〜」
「ふふふ、青藍は泣き虫ですからね。ウサギが急に跳ねてびっくりしたのでしょう」
「あいっ、あいっ」
抱っこしろと青藍が手を伸ばす。
鶯は小さく笑って青藍を抱っこした。
「たくさん遊んでもらってよかったですね」
「あいあ〜」
鶯は青藍をよしよしする。
青藍は腕の中で丸くなって「ちゅっちゅっちゅっ」と指吸いをした。山に入ってから鶯になかなか抱っこしてもらえなかったので甘えたいのだ。
しかしまた山歩きは再開するのである。
「休憩はここまでにしてそろそろ行きましょうか。遅くなってしまいます」
「鶯、青藍を」
黒緋が申し出る。鶯に赤ん坊を抱かせたまま山歩きをさせたくない。
「はい、ありがとうございます」
「あぶーっ。あーあー!」
「文句を言うな。少しくらい我慢しろ」
「あいあ〜、うぅ~~……」
青藍は抵抗したが問答無用で黒緋に抱っこされた。
以前のように黒緋に抱っこされても泣かなくなったが、それでも青藍の抱っこしてほしい大本命は鶯なのである。
「さあ行きましょう。この先に千年杉があるんです。とても見事な杉なんですよ」
「あの千年杉か。私も久しぶりかも」
「前回の神事は三年前でしたからね」
鶯はそう萌黄に答えると黒緋にも説明する。
「斎宮の神事でお祀りしている杉があるんです。黒緋様や紫紺もきっとびっくりしますよ。青藍は驚いてまた泣いてしまうでしょうか?」
「あう〜」
「ふふふ、からかってごめんなさい。いい子にしていてくださいね」
「あいっ」
青藍はお利口な返事をした。
鶯の抱っこは諦めたが構ってもらえて嬉しいのだ。
次に鶯は紫紺を振り返って手を差しだす。
「手を繋ぎますか?」
「うん!」
紫紺が嬉しそうに鶯と手を繋ぐ。
こうして小休憩が終わり、一行はまた山道を歩きだしたのだった。
「うん、もえぎっておもしろいんだ。ウサギがぴょんってしたらワアッておどろいてた」
「そ、それは青藍様がいきなり泣きだしそうになるから驚いただけです」
「あう〜」
「ふふふ、青藍は泣き虫ですからね。ウサギが急に跳ねてびっくりしたのでしょう」
「あいっ、あいっ」
抱っこしろと青藍が手を伸ばす。
鶯は小さく笑って青藍を抱っこした。
「たくさん遊んでもらってよかったですね」
「あいあ〜」
鶯は青藍をよしよしする。
青藍は腕の中で丸くなって「ちゅっちゅっちゅっ」と指吸いをした。山に入ってから鶯になかなか抱っこしてもらえなかったので甘えたいのだ。
しかしまた山歩きは再開するのである。
「休憩はここまでにしてそろそろ行きましょうか。遅くなってしまいます」
「鶯、青藍を」
黒緋が申し出る。鶯に赤ん坊を抱かせたまま山歩きをさせたくない。
「はい、ありがとうございます」
「あぶーっ。あーあー!」
「文句を言うな。少しくらい我慢しろ」
「あいあ〜、うぅ~~……」
青藍は抵抗したが問答無用で黒緋に抱っこされた。
以前のように黒緋に抱っこされても泣かなくなったが、それでも青藍の抱っこしてほしい大本命は鶯なのである。
「さあ行きましょう。この先に千年杉があるんです。とても見事な杉なんですよ」
「あの千年杉か。私も久しぶりかも」
「前回の神事は三年前でしたからね」
鶯はそう萌黄に答えると黒緋にも説明する。
「斎宮の神事でお祀りしている杉があるんです。黒緋様や紫紺もきっとびっくりしますよ。青藍は驚いてまた泣いてしまうでしょうか?」
「あう〜」
「ふふふ、からかってごめんなさい。いい子にしていてくださいね」
「あいっ」
青藍はお利口な返事をした。
鶯の抱っこは諦めたが構ってもらえて嬉しいのだ。
次に鶯は紫紺を振り返って手を差しだす。
「手を繋ぎますか?」
「うん!」
紫紺が嬉しそうに鶯と手を繋ぐ。
こうして小休憩が終わり、一行はまた山道を歩きだしたのだった。