天妃物語〜本編後番外編・帰ってきた天妃が天帝に愛されすぎだと後宮の下女の噂話がはかどりすぎる〜
「……分かった。それなら鶯、少しだけ萌黄に会いに行ってみるか?」
「ええっ、いいんですか!?」
鶯は大きく目を丸めた。
神気が強ければ天上と地上を自由に行き来できるが、それでも天上の掟として天帝の許可が必要なのである。
「気になるんだろ?」
「気になります! ああっ、地上に行けるなんて……!」
「お前のためだ。俺にできることをしてやりたい」
「黒緋さまっ」
鶯の瞳に涙が浮かんだ。
喜びにきらめく瞳に黒緋は目を細める。
提案は正解だった。今まで泣かせたぶん、こうしてたくさん喜ばせてやりたいのだ。
「オレもいく!」
「ばぶぶっ! あー!」
紫紺が立候補し、青藍もはしゃぎだした。
しっかり話を聞いていた紫紺は自分も地上へ行く気満々だ。
赤ちゃんの青藍はもちろん意味を分かっていないが、みんなが楽しそうなのではしゃいでいる。
「もちろんです。二人も一緒に行きましょう。黒緋様、いいですよね?」
「ああ、そのつもりだ」
「やった! ちじょうだ〜!」
「あうあ〜!」
こうして黒緋と鶯と紫紺と青藍は地上へ行くことになった。
黒緋は鶯の憂いを払うために。
鶯は萌黄に会うために。
紫紺と青藍は遊びに行くために。
それぞれの思いを胸に、家族四人はさっそく神域の森へと向かったのだった。
そしてそれを見送った士官や女官はというと。
(ど、どういうこと!? 天妃様の浮気相手のところに今から天帝と御子様たちが行くってこと? それ大丈夫なの?)
(天帝は今から地上へ天罰を下しに行くということか……?)
(天妃様が地上に残してきた愛する相手とはいったい何者なんだ!?)
(天帝公認の浮気相手ということなのか?)
混乱していた。
意味がさっぱり分からないのだ。
しかしこのような内容を天帝や天妃に直接聞くことなどできるはずがない。
そのため、今日も後宮の雀たちの妄想と憶測がはかどるのだった。
「ええっ、いいんですか!?」
鶯は大きく目を丸めた。
神気が強ければ天上と地上を自由に行き来できるが、それでも天上の掟として天帝の許可が必要なのである。
「気になるんだろ?」
「気になります! ああっ、地上に行けるなんて……!」
「お前のためだ。俺にできることをしてやりたい」
「黒緋さまっ」
鶯の瞳に涙が浮かんだ。
喜びにきらめく瞳に黒緋は目を細める。
提案は正解だった。今まで泣かせたぶん、こうしてたくさん喜ばせてやりたいのだ。
「オレもいく!」
「ばぶぶっ! あー!」
紫紺が立候補し、青藍もはしゃぎだした。
しっかり話を聞いていた紫紺は自分も地上へ行く気満々だ。
赤ちゃんの青藍はもちろん意味を分かっていないが、みんなが楽しそうなのではしゃいでいる。
「もちろんです。二人も一緒に行きましょう。黒緋様、いいですよね?」
「ああ、そのつもりだ」
「やった! ちじょうだ〜!」
「あうあ〜!」
こうして黒緋と鶯と紫紺と青藍は地上へ行くことになった。
黒緋は鶯の憂いを払うために。
鶯は萌黄に会うために。
紫紺と青藍は遊びに行くために。
それぞれの思いを胸に、家族四人はさっそく神域の森へと向かったのだった。
そしてそれを見送った士官や女官はというと。
(ど、どういうこと!? 天妃様の浮気相手のところに今から天帝と御子様たちが行くってこと? それ大丈夫なの?)
(天帝は今から地上へ天罰を下しに行くということか……?)
(天妃様が地上に残してきた愛する相手とはいったい何者なんだ!?)
(天帝公認の浮気相手ということなのか?)
混乱していた。
意味がさっぱり分からないのだ。
しかしこのような内容を天帝や天妃に直接聞くことなどできるはずがない。
そのため、今日も後宮の雀たちの妄想と憶測がはかどるのだった。