君と2度目の恋に落ちたら
教室に戻り、自分の席でお弁当を食べた。食べ終わった頃にもかが教室に戻ってきて、私の席までやってきた。

「おつかれ」

私がそう声をかけると「ありがとう」とにこやかに返す。

「高校入ってから初めてのコンクールだから、なんか今から緊張してきたよ~。先輩もめっちゃ指導厳しくなってきたし…」

「なんか部活って大変だね」

「まあ、でも楽しいんだけどね」

もかはそう言いながら自分のスマホを制服のスカートのポケットから取り出して、画面を確認した。すると、彼女の表情はわかりやすく明るくなった。

「さては青木くんだな?」

「え!?なんでわかったの?」

「顔見たらわかるよ~」

青木くんから「おつかれ」という趣旨のメッセージが入っていたらしい。

「青木くんとは同じパートだし、周りに気を遣われるのも囃し立てられるのも嫌だねってことで、今は部活の人たちには付き合ってること内緒にしてるから、その場ではあんまり言葉交わせないんだよね。だから、こうしてメッセージのやりとりをしてるの」

もかは顔をほんのり赤くしながらそう話した。

「なるほどね」

「どうせいつかはバレるだろうけどね!」

これが恋する乙女の姿か…なんてしみじみと感じた。
< 13 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop