君と2度目の恋に落ちたら
その後、4時間目の国語の授業まで終わり、昼休みの時間を迎えた。

購買で目当てのお昼ご飯を買うために早々と教室を後にする者、友達の席まで行き、一緒にご飯を食べようと家から持参したお弁当箱を広げる者…教室の中で生徒が各々の動きを見せる中、私は机の横に掛けてある鞄の中に手をやり目当てのものを手探りで探した。手に伝わる感触で目当てのものを見つけたとわかった時にもかが私の席までやってきた。

「今日はコンビニで見つけた新作のお菓子持ってきたんだ〜。あとで食べようね」

もかはそう言いながらピンク色の可愛いパッケージをしたチョコレート菓子を見せてきた。

「え〜、最高じゃん。ありがとう!けど、ちょっとごめん…自販機に飲み物買いに行ってきてもいいかな?」

「いいよ、いいよ、いってらっしゃ〜い!」

私は鞄から取り出した財布だけを手にして校内にある自販機を目指して教室を出た。

授業を集中して受けていると糖分が欲しくなってくるので、たまに私は昼休みにこうして自販機で甘い飲み物を買いに行くことがある。

自販機は校内に2箇所あり、一番近いのは自分たちの教室がある校舎の2階にある自販機なのだが、私のお気に入りのミルクティーが販売されている自販機は音楽室などがある隣の校舎の1階にある。

今まさにそのミルクティーが飲みたい気分なので、もかを待たせていて申し訳ないが足早に隣の校舎へと向かった。

もかは私が飲み物を買いに行く時に気が向けば「自分も何か買おうかな」と言ってついてくることもあるが、基本的には私を見送って教室で待っていることが多い。そんな時、彼女は一緒にお弁当を食べる席でのんびりお弁当を食べたり、スマホをいじりながら私の戻りを待っている。

私たちはわりとお互い自分のペースを崩さないが、それがとても居心地がいい。行動を共にすることが多いけれど、それぞれお互いのペースを尊重し合い、気を遣うことなく一緒に過ごすことができている。

目当ての自販機に到着し、250mlタイプのペットボトルに入ったミルクティーをサッと購入してその場をすぐ立ち去る。
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