君と2度目の恋に落ちたら
そして放課後になり私は鞄に荷物を詰めて席を立った。もかやその他のクラスメイト数人に「また明日ね」と声を掛けながら教室を出ていく。

私は部活に入っていないので放課後は基本的に真っ直ぐ家に帰る。たまに同じ帰宅部の友達とどこかへ寄り道することもあるが、今日は特に約束もしていないのでそのまま帰宅することにした。

いつもと変わらない通学路を辿り、家に着き、玄関を開けると洗濯物を取り込んだカゴを持った母が目の前にいて「おかえり」と私に言った。母は専業主婦をしているので、私が帰宅する頃にはいつも家にいる。

「ただいま」

私は靴を脱ぎながら返事をして、そのまま着替えに自室へ向かうため階段を上がった。

部屋に着くと所定の位置に鞄を置き、制服から部屋着にしているゆったりとした膝下まで丈のあるワンピースに着替えた。着替え終わったらすぐに1階のリビングへと向かう。

リビングに入ると母が先程持っていたカゴの中の洗濯物を畳んでいた。私は無言でそこへ近づき、カゴの中に入っているTシャツを手に取って畳み始めた。母は私に微笑みながら「ありがとう」と言った。

「ねえねえ、今日の夕飯何?」

「そうね〜…使わなきゃいけない鶏肉があるから唐揚げにでもしようかな」

「唐揚げか、やった!」

何気ない会話をしながら2人で洗濯物を畳み、全て畳み終えると私は自分の分の洋服などを持って自分の部屋にしまいに行った。

もう一度リビングへ戻ると母が私に「紅茶でも淹れようか」と問いかけてきたので「うん」と返事をする。

ダイニングテーブルに2人で向き合う形で座り、紅茶を飲みながら談笑した。私はその日学校であったことをよく母に話をする。今日はもかが分けてくれた新作のお菓子が美味しかったことなどを話し、その途中であの男の子のことも頭によぎったがその話は母にはしなかった。

母はいつも私の何気ない話をうんうんと聞いてくれる。
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