君と2度目の恋に落ちたら
第2章 はじめての気持ち
目が覚めた私はあの男の子のことを考えてしまった。
あの人はもしかすると昔の知り合いだったりするのだろうか…。あの時、私を見た彼の表情からは何か不思議さを感じた。だけど、何も思い当たらない…思い過ごしだろうか。
考えても何もわからないなら、もうこのことは考えないでおこうとも思ったが、学校に着いてもかと話をしても、授業を聞いていても、気が付いたらあの人のことを考えてしまっていた。
短い時間の出来事だったので、相手の学年を識別できる要素も覚えていない。田舎の高校とはいえ、一学年に200人近くはいるので同じ学年の人であっても、1年生の7月時点ではまだまだ廊下で初めて見る人だ…と感じることがある。
もう一度あの人とすれ違うことなんてあるのだろうか…そう感じた時、自分は彼に会いたいと思っているのだろうかと思い、内心ひとりで焦った。もかの「一目惚れでもしちゃったんじゃないの」なんて言葉を思い出す。それはもしかすると私の方なのか?
しかし、私にはそれを断定できるほどの経験がない。人を好きになるとは、どういった感情なのだろう…。
だんだんと彼に対する興味というよりは、恋心に関する興味の方が強まってきた。
自分自身よくわからず、もかにはまだ話せるような状態ではないので、自分でこの言葉にしきれない気持ちを確かめたいと思った。
そのために、もう一度あの男の子に出会えないだろうか…。