君に恋をするなんて
わたしは亮の胸で思いっきり泣いた。泣いたら、だいぶ心が軽くなってきた。

「......美咲、そろそろ帰るか?」

亮はわたしに優しくささやく。

「うん!亮のおかげで、大丈夫になってきたかも!」

わたしは、とびっきりの笑顔で亮に明るく言う。

「......その顔、反則だろ」

亮がぼそっとつぶやく。

「え? 今、なんか言った?」

「べつに......なにも言ってない」

「そう? ていうか、亮、ちょっと顔赤いけど大丈夫?」

「え、いや、あ、ちょっと暑いかも......」

亮はもっと顔を真っ赤にしている。タコみたいに。

「今日、真冬じゃない? わたしはすっごく寒いけど......」

心配して亮の顔を覗くと、

「そうだけど、暑いんだよ! ほらっ、もう早く行くぞ」

怒っちゃったかな?今日の亮、いつもよりずっと優しいし、顔赤いし、変なの。
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