彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「ありがとう・・・モニカお姉ちゃん・・・!」
「!?・・・・・どういたしまして・・・。」
私の言葉に、モニカちゃんの身体が固まるが、すぐに力いっぱい抱きしめてくれた。
「さあ凛ちゃん、早くお部屋に入ろうね!?」
そう言って私から離れると、再び手をつないで歩きだす私達。
部屋の前まで来たところで、小声でモニカちゃんに伝えた。
「ホットミルクと、励ましの身の上話を、ありがとうございました、モニカちゃん。」
「いいのよ♪おやすみ、凛ちゃん♪良い夢を♪チュ♪」
笑顔で私の前髪をかき上げると、額にキスしてからオネェさんは帰っていく。
階段の側で1度こちらへ振り返ると、手を振ってくれたので、私も降り返せば、嬉しそうに階段を下りて行った。
モニカちゃんがいなくなったところで、私は部屋のドアを開けて室内に入る。
部屋の仲が無人なことを確認して、鍵を閉めた。
そして、ベッドにうつぶせでダイブする。
柔らかい布団がバウンドして、私の身体が上下する。
「ああああああああああ、やっちまったよ・・・・・・・・!」
出てくるのは、ため息と後悔の言葉。
(やられた!老女の命が危ないからと、同情して、やられた!)
そもそも、瑞希お兄ちゃんに不義理をしている父親の親がまともなわけないじゃーん!
もっと冷静に考えてれば、引き受けなければ、瑞希お兄ちゃんの好感度を下げることもなかったのに~~~~~~!!
悔しい気持ち一杯で、スマホを取り出し、画面をタッチする。
今起こった悲劇を伝えるため、私は大親友に電話したのだった。