彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



テレビ電話に映る大親友は、合唱していた。





〈うははは!この度は~お悔やみを~申し上げまーす!〉
「楽しんでんだろうこの野郎!!?」





私が事情を説明すれば、無神経な関西人はそれを笑いに変えた。





〈うははは!えーやん!えーやん!瑞希はんが祖母を嫌ってるとわかっただけでも、ええやんか~!?〉
「よくねぇーよ!おかげで俺が嫌われちまっただろうが!!」
〈うははは!ご機嫌斜めになっただけで、溺愛解除になったわけちゃう思うでー!?〉
「ご機嫌斜めなレベルじゃねーよ!木製のテーブルに穴開けちまったんだぞ!?どんだけ祖母嫌ってるか、思い知らされたわ!」
〈うははは!で!?どないする!?檜扇のオトンに今から連絡するんかー!?〉
「しねぇーわ!!電源切って、永遠に通話できねぇようにしてやったよ!」
〈うははは!そうやな!今日しゃべらんでも、明日しゃべるさかいなぁー!〉
「はあ!?何言ってんの!?会うわけないじゃん!?」
〈うははは!お見舞い行かへんのー!?約束したやーん!?〉
「約束なんざクソくらえだ!なんで瑞希お兄ちゃんが嫌ってる相手と、コンタクト取らなくちゃならねぇんだよ!?」
〈うははは!せやかて自分、お見舞い行く約束で、瑞希はんの写真3枚も貰っとるやーん!?〉
「うっ!?それは・・・・・・!!」





ヤマトの言う通り、手元には若い瑞希お兄ちゃんがパン食べてる姿と水着姿来てる姿と体操服姿の写真があった。





〈敵さんの性格考えれば、写真返せはまだしも、瑞希はんに写真と引き換えに凛に交渉させたことをバラす可能性あるでー!?うははは!〉
「そ、それは困る!口封じをせねば!!」
〈うははは!ほな、正攻法で正直に、明日の見舞いに参加して、無理でしたーごめんやっしゃーと伝えて、写真も返して終わりにするで!〉
「え!?・・・写真、返さなきゃダメかな・・・?」





〔★凛は昔の真田瑞希に未練があった★〕






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