彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
マクドナルドに到着し、朝マックを注文し、商品を受け取って席に着く。
腰を下ろしたところで、電源を切っていたダミーのスマホに電源を入れて驚いた。
「うわ!?着信がいっぱいきてる!!」
しかも同じ人から。
このスマホ番号を知ってるのは、現在1人だけなので、そいつの仕業ということになる。
「うははは!檜扇はんから、ラブコール、ぎょうさん来たんやなー!?」
私のダミーのスマホを見ながらヤマトが笑う。
「笑い事じゃないですよ。これ、ストーカー並みの着信量じゃないですか?」
50件超えとか、恐怖なんですけど?
〔★相手の必死さが伝わってくる★〕
「うははは!凛、凛!最後の着信はいつになっとる!?」
「最後は―――――・・・・え!?10分前!?」
こんな朝早くから、電話してきてんの!?
「普通の人なら寝てる時間ですよ!?非常識すぎる!瑞希お兄ちゃんに嫌われて当然ですね!?」
「うははは!そやねー!けど、ちょうどええやん!電話しーや!『今から朝一で、千葉総合医療病院に行きますから、お出迎え夜露死苦!』って!」
「そうだな。そうするか。」
まさか、日の出の出た時間に電話してくるなんて・・・
普段の私なら、凛道蓮から菅原凛に戻る一番忙しい時間なのに・・・
画面をタッチして、迷惑な口ひげに電話すれば、2コールで相手は電話に出た。
〈もしもし!?凛道蓮君!!?〉
「お電話たくさんありがとうございました。出れなく、すみませんでした。」
〈いやいや、いいんだよ!!今大丈夫!?時間あるんだよね!?〉
「ありますよ。ありますから、『今から朝一で、千葉総合医療病院に行きますから、お出迎え夜露死苦!』です。」
〈はあ!?〉
「あと、瑞希お兄ちゃんはご祖母様にはお会いしないです。では、病院に着いたらまた電話します。失礼しまーす。」
〈はああ!?ちょ、待っ――――――――――――〉
伝えることだけ伝えて、電源ごと切る私。
〔★面倒ごとを切り捨てた★〕