彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「今のでよかったよね?」
「うははは!凛は仕事が早くて助かるわー!反論の隙すら与えんところ、好きやでー!」



グッと親指を立てながら言うヤマトに安堵し、注文したソーセージエッグマフィンの包みを開ける。





「ここでゆっくり食事をしても、面会開始時間まで、時間がありそうですね。」
「ほな、花でもこうてこーや!朝から開いとる花屋、知ってるで!」
そう言いながら、同じくソーセージエッグマフィンにかぶりつくヤマト。
「やっぱり、手土産は必要ですよね・・・。」
「うははは!なんぼ、相手の印象が悪くても、こっちまで印象悪くすることはないわ!ええ子ぶっとくに限るで!猫かぶろうや、猫!」
「・・・そうだねー・・・仮にも、瑞希お兄ちゃんの身内になるからね・・・。」
ソーセージエッグマフィンを一口かじれば、ヤマトに言われた。
「うははは!凛、凛!あんま、『瑞希はんの身内』ってことにこだわらん方がええで!話聞く限り瑞希はんは、父親と祖母はシカトして生きとるみたいやからのぉー!」
「シカト・・・・・うん、そうかもしれませんね・・・・。」




瑞希お兄ちゃんと出会って半年たつけど、瑞希お兄ちゃんから身内に関するいい話は聞いたことがない。




「間接的に聞いただけで、木のテーブルに穴開けちゃうほどキレるもんねー・・・。」
「せやせや!どんなに相手が情に訴えてこようと、無理なもんは無理ゆーて、さっさと撤退しようなー!ちなみに写真、持ってきたよな!?うははは!」
「持ってきましたよ!」




ソーセージエッグマフィンを置き、クリアファイルに入れた写真をヤマトに差し出す。






「うははは!上出来やで、凛!ちなみに、いつも使ってるスマホ、持っとるかいな!?」
「持ってますけど?」
「うははは!ほな、凛のスマホ、わしが預かるから貸して!」
「えっ!?なぜですか!?」






ヤマトに理由を聞けば、相手はあっさり答えてくれた。






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