彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「うははは!なんかの拍子で、檜扇はんに、凛が携帯2台持ってるってわかったらシャレにならへんやろうー!?本命の電話番号教えんかったんかー!?ってなったら、ウザいやろう!?」
「う・・・可能性ありそう。」
「うははは!せやから、わしが持っとくさかい、貸して―や!」
「貸します!お預けしますので、よろしくお願いします。」
「うははは!任せとき!フェリチータに帰ったら返すさかい!あ、念のため、電源落としといてや!」
「わかりました。」
いつも使ってるスマホの電源を落としてから、ヤマトに差し出す。
これにヤマトは、ナプキンでしっかり手を拭いてから、私のスマホを受け取る。
そしてそのまま、ポケットにしまった。
「大丈夫だと信じてますが、落としたり、壊したりしないで下さいね?契約者は瑞希お兄ちゃんなんですから。」
「うははは!わーとる、わーとる!自分のスマホよりも、率先して守ったるさかい!それと凛!その腕時計なんやろう!?ボイスレコーダー機能がついとるのは!?」
「はい、そうですけど?」
パワーストーン付きの腕時計を指さすヤマトに同意すれば、半分になったソーセージエッグマフィンを口に入れながら関西男子は言った。
「うははは!よかった、よかった!ほな、病院着いたら即、起動させてや!」
「え!?録音する必要ある?」
「うははは!檜扇はんが、瑞希はんに『不義理してる』ゆ~たんが気になるねん!もしかしたらあのおっさん、養育費払ってへんのんちゃうかと思ってのー!」
「ええ!?養育費を払ってない!?」
「うははは!ようドラマで『養育費はいりません!』言うオカンやオトンがおるやんか!?あれ、間違いやねん!!『養育費は子供の権利』やから、『子供はもらえて当然』やねん!」
「そうなんですか!?」
ビックリしたと同時に、凹んでしまった。