彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「檜扇さんは、会長なんですか?」
「え!?あ、ああ。これでも偉い人なんだよ~!!」
ニコニコしながら言う姿に、うんさんくささを感じる。
(本当に、瑞希お兄ちゃんのお父さんなのかな・・・?)
本物なのか、逆に心配になってくる。
チーン!
ほどなくして、エレベーターが到着する。
檜扇さんに話しかけた人が、11階のボタンを押す。
(病室は11階か・・・)
6人でエレベーターに乗り込めば、檜扇さんが話しかけてきた。
「いや~!!きれいな花束だね!?母のために持ってきてくれたのか!!?」
「そうです。お気に召すとよろしいのですが・・・。」
「気に入る!気に入る!凛道蓮君からの花束なら、喜ぶに決まってるよ!!」
「ありがとうございます。そう言って頂ければ幸いです。」
「それでその~!!瑞希は・・・・・母さん、いや、おばあ様には会いたくないって、言ったのか・・・!?」
「はい。」
会いたくないとは言ってないが、外道だと拒絶してるので、意味は同じだと思った。
そう判断したので、YESと言えば、あからさまに落胆する口ひげ親父。
「そっ・・・そうかぁ~!!そうかぁ~!!!そうかぁぁぁ―――――――――!!!」
「そうです。」
(いちいちうるせぇな。)
瑞希お兄ちゃんにケチつける気か、こいつ?
チーン!
ここで、エレベーターは11階で止まる。
口ひげに腕を引かれて下り、そのまま誘導される。
ヤマトも私の服を掴んだ状態でついてくる。
(病室はどこかしら?)
そう思っていたら、なぜかエレベーターの前で口ひげは止まった。