彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「え?どうしました?忘れものを取りに、下りるのですか?」
「ああ、違う違う!!母の病室はさらに上の階のVIP室だから、エレベーターを乗り換えるんだよ!!一般人は入れないように、エレベーターを乗り継ぐんだ!!」
「え!?」
「うははは!すごいお人でんなぁ~!?檜扇はんのオカンは!?」
「まあな!ワンフロアすべて母が借りてる!警備員も常駐し、関係者である身内以外は完全立入禁止だ!セキュリティーもばっちりさ!」
「そ、そうですか・・・」
(瑞希お兄ちゃんのおばあ様って、もしかしてとんでもなくすごい人なんじゃないの・・・!?)
「そんなに不安そうにしなくていいよ、凛道蓮君!詳しいことは、病室で説明するから!!」
チーン!
VIP室につながるエレベーターが到着し、再び6人で乗り込む。
さっきのスーツの人が、20階のボタンを押す。
それより上の数字はなく、最上階を意味していた。
(・・・瑞希お兄ちゃんのおばあ様って、何者なんだろう・・・?)
緊張が高まる私。
「うははは!凛!フルーツのカゴ盛りも持ってきた方がよかったかもしれんなぁー!?」
「そうですね・・・」
「ははは!そんなことしなくていいよ!!数万程度のカゴ盛のフルーツじゃ、たかがしれてる!!味も薄くてうまくないからね!!」
「え!?そ、そうですか・・・」
「うははは!さすが会長!数万のカゴ盛は、安もんでっかー!」
(なにそれ!?数万が味薄いって、馬鹿舌じゃないの!?私、8000円の果物のカゴ盛食べたけど、めちゃくちゃ美味しかったんですけど!?)
それをたかがしれてるとか!!
(こいつ、やな奴・・・!!)
〔★凛の口ひげ親父への評価は下がった★〕