彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)




「あれが・・・!?」
「ずいぶん、子供じゃ・・・!」
「・・・いやらしい・・・!」


(いやらしい?)




若干、聞き捨てならない言葉がした。





「けがらわしい・・・凛道蓮・・・!」
「凛道蓮って、図々しいわね・・・!」
「恥知らずだな、凛道蓮は・・・・!」


(はい、完全に悪口、頂きましたー!!)





全員初対面だが、明らかにこちらに聞こえるような声でディスってくる集団。

だから私も、スイッチを切り替えましたよ~






「オイ!!聞こえてんぞテメーら!?初見のくせに、俺に文句があるなら目の前に来て言えや!!?」






総長モードで怒鳴りつければ、ビクッと震える集団。
これで静かになるかと思ったが―――――――――





「なんて生意気なんだ!!?」
「それが目上に対する態度か!!?」
「貧乏人が偉そうにするな!!?」
「無礼者が!!立場をわきまえろ!!」





余計うるさくなった。






(なにこいつら、ムカつく・・・!!)






そう思い、メンチを切ながら、その集団に近づこうとした時だった。







「どっちが無礼者だ!!!このハイエナ共めっ!!!」
「檜扇さん!?」







私から手を放すと、ドスの効いた声で、失礼な集団に近寄りながら言った。







「お前ら、誰に生かされてると思ってるんだ!!?誰のおかげでいい生活が出来てるんだ!!?誰のおかげで威張ってられるんだ!!?ええ!!?俺をバカにしてんのかっ!!?」
「ま、待てよ、二三人君!わしらは、別に~!」
「そーよ!あたしらは、あの凛道蓮って言うガキが、ふざけた態度をとるから注意して~!」
「俺が連れて来た凛道蓮君に文句があるってか!!?凛道蓮君にケチつけることは、この檜扇二三人にケチをつけるのと同じなんだぞ!!?消されたいか!!?」
「やめてくれよ!!誤解だ!!」
「そうよ!あなたを悪く言ったわけじゃ―――!!」
「黙れっ!!!これ以上、凛道蓮君を侮辱するなら、母さんに言いつけるぞ!!?」







口ひげがそう言った瞬間、失礼な集団の面々の顔色が変わる。





「ひっ!?」
「そ、それだけはやめて!やめてください!」
「謝ります!言い過ぎました!」
「すみませんでした!」
「俺じゃなくて、凛道蓮君に謝れ!!!本気で母さんに言いつけるぞ!!?」


「「「「「「「「「「凛道蓮君、申し訳ありませんでした!!」」」」」」」」」」





病院では迷惑になるぐらいの大声で、声をそろえて謝る失礼な集団。







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