彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「大丈夫だ、おばあ様。俺は側にいる。俺だけじゃない。舟槙(しゅうま)もいる。」
「そうですよ、大伯母様。お側におります。」
「息子の言う通りです!!舟槙(しゅうま)!!あんたも伯母様の手を握って差し上げなさい!!」





実母の言葉を受け、檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんの手を握っている檜扇湖亀(ひおうぎ こき)さんの手に、自分の手を乗せて握りしめる高野舟槙(こうや しゅうま)さん。
完全に私だけ、場違いになって息苦しくなる。







「ごめんね、凛道蓮君。あなたに会えて興奮してしまったみたい・・・恥ずかしいわ・・・」
「い、いえ、恐縮です。」
「柊護(しゅうご)ちゃん、ばあば、苦しいわ・・・お膝を貸して・・・」
「柊護(しゅうご)!湖亀の言う通りにしなさい!」
「はい、おばあ様、おじい様。」







そう言うと、ベットの枕元に腰かける檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さん。
その膝の上に、檜扇湖亀(ひおうぎ こき)さんを横抱きにして、檜扇達比古(ひおうぎ たつひこ)さんが寝かせた。
むろん、この間、私はずっと檜扇湖亀(ひおうぎ こき)さんに手を握られ続けたけどね。





「柊護(しゅうご)ちゃん、舟槙(しゅうま)ちゃん、ばあばの手を握って・・・・」
「「はい、おばあ様。」」





老女の指示で、老女の手の上にそれぞれ片手を乗せあう檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんと高野舟槙(こうや しゅうま)さん。
甲斐がいしいなと思っていたら、檜扇湖亀(ひおうぎ こき)さんが口を開いた。







「凛道蓮君・・・2人とも良い子達でしょう?柊護(しゅうご)ちゃんは可愛い孫で、舟槙(しゅうま)ちゃんも私の亡き父上にそっくりな孫同然の子・・・長生きをして、こんな良い子達に囲まれて、私は幸せだわ・・・」
「・・・そのようですね・・・。」

てか、いい加減、私から手を放してくれんのかい?







〔★そろそろ手が、汗ばんできている★〕









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