彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「瑞希ちゃんはもちろん、凛道蓮君のことも、我が家で面倒を見ます!だから、だから、みんなで仲良く暮らしましょう・・・!?」
「あの、暮らしましょうって・・・・・・なんで僕まで、あなた方と一緒に暮らす流れになってるんですか?」
瑞希お兄ちゃんは、両親の離婚で別れただけだから、一緒に暮らし始めてもおかしくはない。
だけど私は、赤の他人。
「なんで僕まで、誘ってくるんですか?」
「ひっく、ひっく!当然じゃない~!正妻の子供も、愛人の子供も、同じ子供なんだから、平等にして当然ですよ・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
なんつった?
「おい、今、なんつった?」
自然と乱暴になる口調。
聞き捨てならない単語に頭が真っ白になる。
それでも、意識が飛ぶのを踏ん張って、泣いている老女に問いただした
「今!お前は!なんと!言ったんだ!?」
「おい!か弱いわしの妻に対してなんて口の利き方をするんじゃ!?」
「姉さんに乱暴物言いをするんじゃねぇぞ!」
「あなた、檜扇湖亀様に対して無礼な態度をとるなら許さ―――――――!!」
「うるせぇコバエ共!!!まとめてブチ殺されてぇかっ!!?」
「「「ひっ!?」」」
私を非難してきた檜扇達比古と高野槙雄と高野代佳子を一喝すれば、後ずさりをしてしゃべるのをやめた。
それをにらみながら見届けてから、私は再三度、ベッドの上の老女に聞いた。
「お前は今、なんて言ったか、もういっぺん言ってみろ・・・!!」
これに老女は、震えながらも、首を縦に振りながら言った。