彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
向かい合っていてよかった。
おかげで口ひげエロ親父の両脚を両手でつかんで抱え上げられた。
抱え上げた時、私は右足を突き出す形で片膝立ちになれた。
そこから私は自分の太ももを、渾身(こんしん)の力を込めて口ひげの、檜扇二三人(ひおうぎ ふみひと)股間に叩きつけてやった。
本来は、尾てい骨への攻撃だけど、角度を変えれば金的攻撃にもなる。
(無責任に振りまいた子種の罰を受けろ!!!)
そんな思いで、汚い親父の汚い股間を攻撃した。
(帰ったらお風呂で、よーく太ももを洗おうっと♪)
「あああぁああぁあああぁあああああ!!ああああぁぁああぁぁああああ!!?」
股間に一撃加えた後、床に倒れた口ひげエロ親父は、絶叫しながらのたうち回っていた。
「二三人ぉ!!」
「二三人~!!しっかりしろ!!」
「あれはプロレスの反則技だぞ!?」
「いや、角度によってはセーフな技だよ、父さん!」
「人間としてアウトじゃない!!もういっそ、このまま死ねばいいわ・・・女の敵!!」
それに駆け寄るゴキブリの高齢の父親と高野家3世代。
「けーるぞ、ヤマト!」
「うははははーい!総長!」
「待ってちょうだい、凛道蓮君・・・!」
「あん?」
立ち去ろうとしたら、孫に膝枕されているおばあさんが呼び止める。
「なんすか?」
「今ので・・・・・・・あなたの気は済みましたか・・・・?」
「いや、すまないっすね。」
「気持ちはわかります!自分のお母様のことを覚えていない父親なんて―――――――最低です・・・!!」
「あ・・・!?」
そう言われて気づく。
(もしかして私―――――――――――口ひげ親父の実子と勘違いされてる・・・?)
瑞希お兄ちゃんへの侮辱に対し、思わずマンハッタン・ドロップかけたけど・・・・・これ私、勘違いされてるよな、うん!
「聞いて下さい、檜扇湖亀(ひおうぎ こき)さん!!」
「なんでございましょう・・・凛道蓮君・・・?」
「僕はあなたの孫でも、檜扇二三人(ひおうぎ ふみひと)の子供でもありません!!」
誤解されているので、ハッキリと否定をする。
これに対して老女は――――――――
「かわいそうに・・・・!父親に傷つけられたがゆえに、親子関係を否定するほどショックなのですね・・・・・!」
信じてくれなかった。
〔★面倒な展開になってきた★〕