彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「邪魔だ、どけ。もう一回、マンハッタン・ドロップ食らわせるぞ、コラ。」
「瑞希を!瑞希をここに連れてきてくれたら!!母さんに、おばあ様に会わせてくれたら!!本来ならお前はもらえない多額の金を、生前贈与をする!!弁護士と書類を用意して約束もする!!」
「いや、いらないっす。」
「無償でしてくれるのか!!?なんて良い子なんだ、蓮は~!!!」
「誰がタダ働きするって言った!?もう一回、マジ切れするぞ、口ひげ超エロ親父!?」
「金に汚かった瑞希の母親とは大違いだよ、凛道蓮君は!!!」
瑞希お兄ちゃんのお母さんがお金に汚かっただと・・・!?
〔★現時点で、金に汚いのは父親の方だ★〕
「聞き捨てならねぇな!!」
喜ぶ口ひげの胸倉を、力強くつかむ。
「ぐえ!?な、なにをすー!?」
「気に入らねぇって言ってんだよ!!!」
こいつは、瑞希お兄ちゃんを軽く扱ってるばかりか、瑞希お兄ちゃんのお母様の悪口まで言い出した。
「瑞希お兄ちゃんのお母様の、どこが金に汚かったって言うんだよ!!?」
「せ、説明する!!説明するから手を離せ!!」
「離せ、だと?」
「うぐぐ!!離して下さい・・・・・!」
突き飛ばすようにして離せば、乱れた胸元を直しながら口ひげは言った。
「俺が瑞希の母親と出会ったのは、既婚の時だった。」
「聞く必要なし。帰るぞ、ヤマト。」
「うははははーい!」
「待って!!待って待って蓮君!!最後まで聞いて!!でないと、瑞希にいたずら電話かけるぞ!!?」
「やめろ!!聞いてやるから、瑞希お兄ちゃんへのイタ電をやめろ!!」
本気でしかねないので立ち止まれば、ムカつく笑みを浮かべる口ひげエロ親父。