彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「そうですよ・・・。瑞希ちゃんと舟槙(しゅうま)ちゃん2人を養子にした場合、1人しか相続が出来ない法律ですから、瑞希ちゃんを優先しますが、その分、舟槙(しゅうま)ちゃんには生前贈与をして優遇をします。」
「姉さん!!」
「伯母様、ありがとうございます!!」
「いいのよ、槙雄、代佳子ちゃん。それが檜扇家のためになり、少しは二三人も身を引き締めて、しっかりしてくれるでしょう・・・。そうですよね、達比古(たつひこ)さん?」
「もったいないお気遣いをありがとうございます、湖亀おば様!!」
「あ、ああ!湖亀の好きなようにしてくれたらいい・・・!」





夫を見据えながら妻が言えば、たじろぎながら同意する檜扇達比古。
それで何となく察した。








(ふーむ、檜扇家の主導権は、おばあ様にあるわけか・・・)








金銭的なことを考えれば、瑞希お兄ちゃんが檜扇家に来れば、将来は安泰かもしれえない。

でも―――――――







(瑞希お兄ちゃんには、バリスタになるという夢がある。)







果たしてこの人達は、檜扇家のおばあ様は、瑞希お兄ちゃんの夢を応援してくれる・・・?







(つぶすような真似するなら、絶対に関わらせちゃいけない・・・!!)







「母さん!!母さんがなんと言おうが、一番多く財産をもらうのはこの俺だ!!必ず瑞希と和解して、漢を見せて見せる!!だから、その時は約束通り、俺に一番財産をくれ!!」
「・・・・・瑞希ちゃんに会わせてくれるなら、その条件を飲むわ・・・・。」


(てか!口ひげエロ親父野郎、実母の遺産目当てで、瑞希お兄ちゃんと和解しようとしてない!?)

話を聞けば聞くほど、ますます信用できなくなってきたんですが!?







〔★凛の不信感は増している★〕









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