彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「凛道蓮君!!瑞希の昔の写真は欲しくないか!!?」
「はあ!?急に、なに言い出すんですか!!?」
「これを見てもらえば、俺の誠意が凛道蓮君にも伝わると思う!!オイ!」
「はい!」





そう言って口ひげは、エレベーターから一緒についてきたスーツ姿の男を1人呼ぶ。
呼ばれた男が、両手に抱えていたのは――――――







「会長、どうぞ。」
「よしよし!!じゃーん見てくれ、凛道蓮君!!これなーんだ!!?」
「アルバム・・・?」







キレイな模様が刺繍されたアルバムだった。







「いいかい、凛道蓮君!!中身をよく見るんだ!!」







そう言いながら、私に向けてページを開く。
目に飛び込んできた光景に息をのんだ。







「えっ!!?瑞希お兄ちゃん!!?」







ランドセルを背負った瑞希お兄ちゃんだった。







〔★若かりし頃の瑞希だ★〕







(か、可愛い!!)

ブルーのランドセルを背負ってるけど、ショートヘアの女の子にしか見えな・・・・いやいや、カッコイイですね、はい♪

「どうしたんですか、これ!?」
「ふふふ!!俺は瑞希の父親だからね~!!昔の写真ぐらい持ってても、おかしくはないだろう!?」
「そ、そうですが・・・」

(初々しいよ、瑞希お兄ちゃん♪愛いよ、愛い♪)








思わず見とれていれば、アルバムが素早く閉じられる。







「あ。」

「ほしいか!!?」







ドヤ顔で言われて、若干悔しくなる。







こいつは嫌な奴だけど、小学生時代の瑞希お兄ちゃんの写真は―――――――ほしい!!

のどから手が出るほど欲しい!!

(まさかとは思うけどこいつ――――――――――――!!?)







相手が何を企んでいるか察しが付く。
そして、私が予想した通りの言葉を口ひげは言った。








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