彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



「じゃあ、失礼しまーす!行こう、凛道君、ごじゅうあらし君!」
「はい・・・。」
「うははははーい!」



突き刺さる視線を受けながら、失礼な集団の側から離れる私達。
エレベーターの前では、開くボタンを押して、私達が来るのを檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんが待っててくれた。
全員がエレベーターに乗り込んだところで、ため息交じりに檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんが言った。






「舟槙(しゅうま)、いくらあいつらも身内とは言え、親切にし過ぎるな。根こそぎ持っていかれるぞ。」
「え?俺を心配してくれるの、柊護(しゅうご)!?嬉しいなぁ~!」
「のんきなこと言ってる場合か!真面目に聞けよ!?」
「聞いてるよ。程よく付き合うから!あ!?凛道蓮君もごじゅうあらし君も、さっきの人達に嫌な対応されたよね!?ごめんね~しつけが行き届かなくて!」


(しつけって・・・・)


「いえ、お気になさらないで下さい。厄介者扱いされてるのは慣れてますから。」
「うはははは!そうやねん!わしらヤンキーで暴走族やからな!」
「え!?じゃあ本当に、凛道蓮君はあの龍星軍の総長なの!?」
「一応、そうなります。」
「すごいな~!俺もあと数年若かったら、凛道蓮君の龍星軍メンバーに立候補するのにな~!」
「それはどうも・・・。」
「てか、凛道蓮君、二三人伯父さん相手に、一歩もひるまなかったのすごいよ!柊護(しゅうご)の前で、こんなこというのはあれだけど、プロレス技かけたのは良い気味だったよー♪あれでこりて、女遊びを控えてくれればいいけど~ねぇ、柊護(しゅうご)―?」
「・・・。」






高野舟槙(こうや しゅうま)さんが話しかけるが、檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんは答えない。
何の反応も示さず、黙ったままだった。







(やっぱり、自分の父親にプロレス技かけたこと、怒ってるのかな?)

念のため、謝っとこうかな・・・

「あの、檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さん!先ほどはお父様に、プロレス技で無礼を働き、誠に申し訳ありませんでした!感情を抑えきれませんでした!」







そう伝えて、90度ほど、頭を下げてあげる。
これに檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんは――――――――――







「下りる準備しろ。乗り換えだ。」

チーン!







相手にもされなかった。





〔★凛の謝罪はスルーされた★〕






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