彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
エレベーターを乗り換えると、高野舟槙(こうや しゅうま)さんが口を開いた。
「あははは!いいよ、いいよ!気にしなくていいよ、凛道蓮君!柊護(しゅうご)は気にしてないから!人見知りが激しいだけだから♪」
「え、あ、はい・・・。」
「それよりさ!よかったら、俺と連絡先交換してくれない!?龍星軍四代目総長の凛道蓮君♪」
「え!?連絡先ですか・・・!?」
「大丈夫、大丈夫!俺、アドレスを拡散したり、悪用したりしないから♪」
(そう言われてもなぁ~気が進まないなー)
てか、第一印象が悪い人とアドレス交換って、抵抗があるんだよねー・・・
〔★交番に連れて行くほど悪かった★〕
「どうしたの?スマホ、忘れちゃったの?」
「あ、いえ・・・・・。」
そういう言い訳もありかと思ったけど、それでは誤魔化すのに限度がある。
(仕方ない・・・無理だと伝えよう。)
気まずかったが正直に答えた。
「すみません、高野舟槙(こうや しゅうま)さん。あなたを信用しないわけじゃないのですが、気軽に連絡先の交換はしないことにしてまして・・・。」
「あーそれもそっか!残念!じゃあさ!俺のスマホの番号教えるから、なんかあったら電話して!」
そう言って、ボールペン付きの手帳を取り出すと、携帯番号を走り書きする高野舟槙(こうや しゅうま)さん。
〔★ノリが軽かった★〕
あっという間にメモに数字を書き込むと、それを私に差し出しながら言った。
「はい、これが俺の番号♪気が向いたら電話して!あと、俺のことは舟槙(しゅうま)って下の名前で呼んでいいから!」
「・・・わかりました。すみません、舟槙(しゅうま)さん。」
「どういたしまして!柊護(しゅうご)のことも、柊護(しゅうご)って、凛道蓮君達に呼んでもらえばいいよなー?」
「・・・親父達との区別になるからな。」
「だってさ!」
「はい・・・。」
私と目を合わせることなく、ぶっきらぼうに言う瑞希お兄ちゃんのそっくりさん。
(やだなぁ~瑞希お兄ちゃんに似てるから、地味に、瑞希お兄ちゃんに意地悪されてる錯覚になるから、いやだなぁ~)
〔★凛は視覚のダメージを受けている★〕