彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「あ、あなたは―――――――――――!!?」





その素顔を見て固まる。








「檜扇柊護(ひおうぎ しゅうご)さんっ!!!?」








相手が瑞希そっくりの男の孫だったからだ。








「な・・・なんであなたが―――――――――――!?」

「そいつから離れろ、凛っ!!!」








怒鳴り声が響く。








「瑞希お兄ちゃん・・・!?」








好きな人の怒声で振り返れば、怖い顔でヘルメットマンさんをにらんでいた。








「なんでテメーが凛を!!!?」








般若のような顔で、駆け寄ってくる瑞希お兄ちゃんにびっくりする私。








(か、顔が怖い!?)

なんでそんなに怒ってるの!?

(てか、2人は知り合いなの!?)

「ヘルメットマンさ――――――――――――!!」

「―――――――――――――連れて帰れ!」

ドン!

「あ!?」

「凛っ!!!!」








抱き留めてくれていた身体が、ヘルメットマンさんによって、乱暴に突き飛ばされる。
瑞希お兄ちゃんの方へ倒された私を、瑞希お兄ちゃんは両手を広げて駆け寄り、抱き留めてくれた。







「大丈夫か、凛!!!?」
「ぼ、僕は大丈夫ですが―――――」

ギュウオオン!!







間近でエンジン音が響く。








(このエンジンの音は―――――――――――!?)

「ヘルメットマンさんっ!!」

ギュウオオ―――――――――――――――――――――ン!!








私達に背を向けると、待避所から高速道路へと移動する。








ギュウオオン、ギュウオオン、ギュウオオ―――――――――――――――――――――ン!!!








あっという間に、私達の前から走り去ってしまった。








「ヘルメットマンさん・・・・!!」








初めて見た素顔に動揺していれば、強く両肩を掴まれた。










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