彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「あれがヘルメットマンなのか、凛!!?」
「瑞希お兄ちゃん!?」
「あいつが!あいつが、凛の言ってた正義の味方だっていうのか!!!?」
ミシ!ミシ!ミシ!
「っ!?い、痛い、お兄ちゃん!痛いよ!」
両肩に、瑞希お兄ちゃんの両手が食い込む。
爪を立ててるどころか、肌を指が貫通しそうな痛さ。
「どうなんだっ凛!!!?」
「痛いよ、瑞希お兄ちゃん!!」
「答えろって言ってんだろう凛っ!!!!?」
「やめろ瑞希!!」
強引に烈司さんが、私から瑞希お兄ちゃんを引き離してくれた。
顔色、しゃべり方、目つき、呼吸の粗さから言っても、いつもの瑞希お兄ちゃんじゃなかった。
グオォオオオオン!!
バルバルババババ!!
フォンフォン!!
「凛助ぇ!!」
「凛ちゃん!!」
「凛道、今の男は――――――!?」
ヘルメットマンさんと入れ替わりに、待避所に初代龍星軍の先輩達がやってくる。
「凛ちゃん!!凛ちゃん!!あたしの凛ちゃん!!あああ、無事でよかった!!」
バイクから降りたモニカちゃんが、一直線に私のところに来て私を抱きしめる。
「凛助ぇ!!生きてたことを褒めてやる!!」
「凛道!いや、瑞希!あの男と、すれ違ったんだが―――――!」
「やめろ!!聞きたくないっ!!!」
「瑞希お兄ちゃん・・・!?」
瑞希お兄ちゃんの態度に戸惑っていれば、8つの異なるエンジン音が響く。
キュォオオオオン!!
ギュワアア!!
ワァァァァ―ン!!
フォアアアアン!!
オアアアアン!!
ドゥルルルル!!
バンボー、バンボー!!
ボォオオン!!
「凛!!無事でよかった!!」
「うははは!タンクトラックの前にポーンされた時は、来世での再会誓ったでー!?」
「凛先ぱーい!!死ななくてよかったすよぉ~!!」
「凛さん!!生きて再会できて嬉しいっす!!」
「リンリーン!!リンリンが危機一髪で、ちーちゃん嬉し泣き系ー!!」
「ご無事の生還、さすが我が君でございます!!」
「悪運が強いぜ、凛道!」
「生きててよかったぜ、凛君!」
「りんどー助かってよかったな!」
現役龍星軍の仲間達だった。
バイクから降りて、私の方へとやってくる。