彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
ギュワアア!!
ゴワァァァァ―ン!!
フォアアアアン
オアアアアン
ドゥルルルル!!
バンボー、バンボー
ボォオオン
「凛!!」
「凛さん!!」
「リンリン!!」
「我が君!!」
「凛せんぱーい!!」
「凛道!!」
「凛君!!」
「りんどー!!」
背後から、照らされた気がした。
ヤマトに抱きしめられた状態で、首だけで振り返れば、単車に乗った仲間達が私の方へやってくる。
「カ、カンナさん、可児君、ちーちゃん、つなぐ、雷太、円城寺君、秀君、悠斗君・・・。」
みんな私の側で単車を止めると、次々とバイクから降りて近寄ってきた。
「大丈夫か、凛!?」
「凛さんは悪くないっすよ!真田先輩がやりすぎっす!」
「リンリンを泣かせるなんて、俺許せないんだけど?」
「我が君、おいたわしや!心中お察し申し上げます!」
「真田の言うことなんて気にしちゃダメっすよ、凛先輩!!大人げねぇーぜ!!」
「おい、瑞希さんが悪いみたいな言い方するな中坊!!」
「けど、さっきの凛君への対応はキツイかったぞ?」
「俺、あんなにキレた真田先輩初めて見たぜ!つーか、泣くなよ、りんどー!」
「泣いてええんや!!!」
悠斗君の言葉を、ヤマトが否定する。
「悠斗君、こういう時は泣いてええんや!!好きなだけ、泣かせといてや!!」
「な!?何言ってんだよ!?男がピーピー泣くなんて、みっともないだろう!?」
「何が『男が』、や!!?男女平等の時代に寝ぼけたこと抜かすな!!男らしさ女らしさなんぞクソくらえや!!」
そう言いながら、私の頭を自分の胸板に押し付けるヤマト。
(ヤマト・・・・・・)
ごめんね、ごめんね。
すぐに泣き止むから。
すぐに涙を止めるから。
今の私は凛道蓮なのに。
しっかりしなきゃダメなのに!!
(頭ではわかってるけど、気持ちがついてこないよ!!)
泣き止まなきゃと思えば思うほど、涙があふれてくる。