彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「うぅ・・・・・!」
「・・・そうだな。凛、つらかったら、泣いていいんだぜ。」
「カンナ!?」
背中にぬくもりを感じたと思ったら、カンナさんが背後から私に覆いかぶさっていた。
「泣きたいだけ泣けよ。」
そう言いながら両腕を差し込み、後ろから私の肩を抱き寄せてくれるカンナさん。
「俺も凛先輩を慰める!」
「俺もリンリンを!!」
「俺も我が君を!!」
「凛さん!!」
ギュ!ギュ!ギュ!ギュウ~!!
「み、みんな・・・・・!?」
カンナさんに続くように、雷太が、ちーちゃんが、つなぐが、可児君が、私をハグしに来る。
(あったかい・・・・・。)
みんなの優しさがあたたかかった。
涙は止まらないけど、瑞希お兄ちゃんに追い出されたショックは回復してないけど――――――――――!!!
「すみません・・・!僕はもう大丈夫です。」
(強がらないと!!)
そう伝え、私に腕を回しているカンナさんの手を握った後で、ヤマトの胸から顔を上げる。
私にくっついている仲間達を見渡しながら伝える。
「もう大丈夫です。ご心配を、おかけしました。」
「凛。」
「凛さん!」
「マジすか、凛先輩・・・!?」
「リンリン無理してない!?」
「我が君・・・。」
「―――――――――凛がそう言うなら、わしは信じるわ。みんな、離れよ。」
ヤマトがそういえば、可児君、つなぐ、ちーちゃん、雷太の順番で離れ、その後にカンナさん、そして――――――――ヤマトが私から離れる。
「取り乱して、すみませんでした。」
そう伝え、目をそででぬぐっていれば、ハンカチを差し出された。