彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
外国人だとわかったのは、見た目が東南アジア系の顔をしていたからだ。
女性が2人で、男性が1人。
その外人さん達を見て、ビックリした。
(3人とも、すごく美形だぁー!)
一番年上の女性は美魔女と言えるエキゾチックな姿をしていた。
若い女性の方も可愛い容姿をしており、守ってあげたくなるようなタイプの美少女だった。
若い男性も、瑞希お兄ちゃん達龍星軍の面々には負けるが、芸能人と言われてもおかしくない容姿をしていた。
そんな外国人達は、病室の方を向いて立っていた。
エキゾチックな女性の後ろで、若い女性と若い男性が困惑した様子で立っている。
3人の視線の先には、舟槙(しゅうま)さんがおり、両脇をSPの男性が固めていた。
立ち位置がお互い真ん中同士の舟槙(しゅうま)さんとエキゾチックな女性がしゃべっている。
それをSP2人は見ながら、病室の前に立ちふさがり、中に入れないような姿勢をとっていた。
その様子を、金の亡者の親戚達がニヤニヤ顔で楽しそうに見ていた。
「舟槙(しゅうま)さん、どうされましたか?」
このまま病室に入れないのも困るので声をかける。
それで全員が私を見る。
「あ!?もう帰ってきちゃったの?」
「え?」
焦るように言う舟槙(しゅうま)さんの態度に、違和感を覚える。
(まるで、帰ってきたらダメみたいな言い方するわね。)
そう思っていたら、外国人のエキゾチックな女性と目が合う。
相手は私を見ると、一瞬目を見開く。
そして、甲高い声で言った。
「あなた、凛道蓮か!?」
「え?」
「答えちゃダメだ!!」
舟槙(しゅうま)さんの言葉に、エキゾチックな女性が怖い顔で舟槙(しゅうま)さんを怒鳴った。
「そう言うってことは、凛道蓮ねぇ――――――――――――――――――――――!!?あああああああああああああああああああ!!!」
「えっ?」
「蓮クン逃げろ!!」
舟槙(しゅうま)さんがそう言った時、ヒステリックになったエキゾチックな女性が私に襲い掛かってきた。
両手をめちゃくちゃに動かしながら突進してくる。
(なに?なに!?なーにー!!?)
わけがわからないまま、幼稚な攻撃をよけていく。
「キー!!&%$$#‘=%$#“&%!!」
攻撃をかわせばかわすほど、女性はわけのわからない言葉を叫び始める。
とりあえず、日本語じゃないことはわかった。
〔★ただし、地球上の言葉だ★〕