彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
〈今日は電話に出てくれて、お願いを聞いてくれて本当にありがとう!!信用してもらえたみたいで嬉しいよ!!〉
「・・・檜扇二三人の愛人の極秘事項を教えてくれましたからね。」
〈よかった!それで、蓮クンの信用を勝ち取れたんだね!!〉
(いや、完全には信用してないよ。)
今のところ、舟槙(しゅうま)さんのことは良い人だと思ってる。
でも、信用してるかどうかは別。
だって――――――――――――
(瑞希様が敵意を見せた人の身内なんだ。簡単に、信用するわけがないじゃない。)
〈蓮クン、約束通り、今後一切『慶良寺』には電話しない!!その代わり、蓮クンのスマホで連絡を取り合っていくということで良いよね!?〉
「・・・・・ええ、かまいませんよ。」
〈ありがとう!!その上で、お願いしたいんだけど―――――――〉
「どんな内容ですか?」
〈明日も、大伯母様に会いに来て頂けませんか・・・・・?〉
「僕、赤の他人ですけど?」
〈いやいや!わかってるから!!檜扇二三人を父親だと思いたくない気持ちは!!〉
「わかってませんよ!?」
〈だけど蓮クン自身を、大伯母様は気に入ったんだよ!会うと元気をもらえるからって、会いたがってるんだ!!〉
「僕と会うと・・・元気になれるというのですか?」
〈そうなんだよ!頼むよ!頼みます!お願いします、蓮クン!!〉
「・・・わかりました。」
〈ありがとう!!これで大伯母様は、喜んで下さるよ!待ち合わせは、東山高校前でいいんでよね!?〉
「いえ、直接病院へうかがいます。」
〈遠慮しなくていいんだよ!?迎えに行くよ!?〉
「大丈夫です。お気遣いなく。」
〈蓮クンがそう言うなら・・・明日は送迎なしにするね。〉
「今後も送迎なしで結構ですよ。あまり気を遣われのは、負担になりますから。」
(むしろ、自由にこちらで動けるようにしておいた方がいいからね。)
〈わかったよ、蓮クン・・・。じゃあ、明日もよろしくお願いします!!〉
「こちらこそ、よろしくお願い致します。それでは失礼します。」
〈うん、さようなら。〉
そこで電話は終わった。
舟槙(しゅうま)さんとの話は終わったけど―――――――
「凛!!」
「凛さん!!」
「凛道!!」
「うははは!」
龍星軍との話は終わってない。