彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



春と夏は白のTシャツで、秋と冬はスカジャンなんだって。
だから、私が着ている服はスカジャン。
闇夜でも目立つようにと、真っ白な色です。
背中には横向きのひらがなで、『よまわりぐみ』と、その文字の下には『安全パトロール隊員』と刺繍されている。
ただし、龍星軍のメンバーのメンバーである私は、『安全パトロール隊員』の文字の下にローマ字で『Ryuseigun(龍星軍)』の刺繍が入れられている。
なぜ、龍星軍の刺繍まで入ってるかというと―――――――



「チョコちゃん、サナちゃーん!!」



私と瑞希お兄ちゃんの名前を呼びながらやってくる、町内会会長さんの提案によってこうなりました。



「こんばんは、大原会長さん。」
「はい、こんばんは、チョコちゃん!今夜は夜更かしになるのに、来てくれてありがとな!?」
「とんでもないです。」
「ははは!おじさん、チョコちゃんが来てくれて嬉しいぜ!!サナちゃんも、フェリチータ休ませてまで、悪かったな!」
「いいっすよ!会長には、お世話になってますから。」
「おだててくれるじゃんか、サナちゃんよ!そうそう、2人に紹介しておこう!」



そう語る大原会長さんの隣には、制服を着た警察官の姿が1人。



「チョコちゃん、サナちゃん、紹介するぜ!このおまわりさんは、伊藤巡査!柔道の達人で、期待の若手警察官なんだよ!」



自分の隣にいた警察官を、前へ、私達の方へ突き出しながら紹介する大原会長さん。
これに、苦笑いをする警察官。



「期待って、言い過ぎですよ、会長さん。」
「事実じゃんか!?それで、だ!!伊藤巡査!この子が噂のチョコちゃんとサナちゃんだ!」



そう言って、おまわりさんをヤンキーである私に紹介してくる町内会長さん。



(警察官とヤンキーが、紹介しあうってどうなんだろう・・・?)



内心冷や冷やしたけど、営業スマイルで対応する私。



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