彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「凛道蓮クンは、姉さんに会いに来たんだ!!お前の相手をするために来たんじゃない!!引っ込んでろ!!」
「なっ!?でも、叔父さん!!」
「お義父さん、二三人さんがいたら、叔母様と凛道蓮君が話を出来ないわ!!部屋から叩き出しましょう!!伯母様も、その方がいいですよね!?」
「・・・そうした方がいいかしら・・・」
「ええ!?嫌だ!困るよ、母さん!!静かにするから!!」
「馬鹿野郎!!静かにする、じゃねぇ!!お前がうるさいから怒ってるんじゃなくて、お前が凛道蓮クンを独り占めしようとするから怒ってるんだろうが!!空気読みやがれ!!」
「そんな叔父さん!俺はただ~・・・」
「うるせぇよ!!舟槙(しゅうま)!!凛道蓮クンをこっちに、姉さんのところに連れて来い!!」
「はい、おじい様!おいで、蓮クン。」
そう言って、私の肩を抱く舟槙(しゅうま)さん。
そのまま、口ひげ超エロ親父の横を通過する。
「ああ!蓮~~~!!」
名前を呼ばれたがスルーした。
舟槙(しゅうま)さんに誘導され、湖亀さんの前までくる。
湖亀さんは、背もたれにもたれかかっていたが、顔色はそんなに悪くないように見えた。
「こんにちは、湖亀さん。お見舞いに来ました。」
「ありがとう、蓮ちゃん。来てくれて嬉しいわ。」
そんな私達を、椅子に座った状態で見ている槙雄さん長月さんと代佳子(よかこ)さんと、私の少し後ろの位置で見ている舟槙(しゅうま)さん。
礼儀を考えて、私は達比古教授と高野さんとその子供夫婦に会釈をする。