彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
最初は不審者ということで警察に突き出したけど、罵詈暴言罪があれば、代佳子(よかこ)さんと槙雄さんを突き出してやりたくなった。
だからあえて言わせてもらった。
「すみません。あいにく僕も、うだつが上がらないバカなので、叔父呼びは辞退させて頂きます。」
「な!?」
「凛道蓮君!?」
「なんですって!?うちの亭主の肩を持つ気なの!?」
ギョッとする槙雄さんと、長月さんと、代佳子(よかこ)さんに向けて、黒い笑みを浮かべながら言った。
「家族をバカ呼ばわりする奴の言うことは聞くなと、瑞希お兄ちゃんに言われてますから。」
「なっ!?や、やーね!軽い冗談よ!掛け合いよ!?ねぇ、お義父さん!?」
「実際、出来が悪いからその通りに行っただけで、別に凛道蓮君をバカと言ったわけじゃない!!」
「冗談でも事実でも、人を馬鹿にする人とは一線起くのが龍星軍の決まりです。僕、間違ってますか、湖亀さん?」
話を、この場で一番強い人に振れば、神妙な表情で老女は口を開く。
「蓮ちゃんの言う通りね・・・。長月くん、私が守ってあげれなくてごめんね。守るべきだったわ。」
「そんな姉さん!!?」
「お、伯母様!?私達を嫌いになっちゃったんですか!!?」
「好きだからこそ、注意することにします。長月くんに、あまり強く当たらないでちょうだい。長月くんは、優しすぎるだけなんだから。いいわね、槙雄、代佳子(よかこ)ちゃん?」
語尾を強めに、念押しをすれば、一瞬言われた2人の顔がゆがむ。
しかし、すぐに笑顔になると、私へと視線を向けながら言った。
「は、ははは!凛道蓮君は、少し優しすぎるみたいだな!!まあ、まだであったばかりだから、しばらくは槙雄さん呼びで許してやるよ!!」
「そうですわね・・・!伯母様のお言葉は絶対ですから!!だけど凛道蓮君、あなたが私達の思いやりを踏みにじった事だけは忘れないようにね!!?」
全然反省してねぇーな、こいつら。
マジ関わりたくない。
ウザすぎる。
そう思ったけど、顔に出さないで、しおらしく答えた。