彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



「はい、生意気を申し上げてごめんなさい。以後は気をつけていきます。」
「本当にそうしなさいよ!!かなり気を遣ってあげたんだから!!」
「代佳子(よかこ)さんと、槙雄さんのお気遣い、痛み入ります。長月さんも、失礼を致しました。申し訳ありません。」



そう告げて、深々頭を下げる。



「格上の高野家の方々のご好意、今はお気持ちだけ、ちょうだいさせて下さい。」



礼儀正しく頭を下げる。
それだけで、だいたいのバカは機嫌を直す。
馬鹿に馬鹿扱いされても、痛くもかゆくもない。
面倒を追い払えるならいくらでもする。



「わかればいいのよ!!高野家は、由緒正しい家柄だからね!!」
「だはははは!!二三人にも、それぐらい素直なところがあれば可愛げがあるんだけどな!!そうだな、長月!?」
「・・・うん。」



これに高野家の家族・・・祖父と母は、機嫌を直した。





「蓮よ、本当に姉さんのためによく来てくれたな!!」
「とんでもないです。それとこれ、湖亀さんへお花を持ってきたのですが―――」
「ええ、ええ、さっきからずっと、気になっていたのよ。きれいなピンクのお花ね?なんというのかしら?」
「『アルストロメリア』です。」





湖亀さんの質問に私は答える。





「11月に咲くお花で、花持ちがいいお花になります。切り花だと2週間以上は咲き続けます。」
「まあ、そんなに長持ちするの?長く楽しめて嬉しいわ~」
「恐れ入ります。『アルストロメリア』は―――――花言葉は『未来への憧れ』になります。湖亀さんに、良い未来がおとずれればと思い、選びました。」
「まあ・・・ありがとう、蓮ちゃん・・・!そこまで考えて、私のためにお花を選んでくれたのね?」
「少しでも、縁起の良い物がお側に会った方が、病気も回復に向かいやすいと思いまして。あ、今さらですが、花粉のアレルギーとかは・・・大丈夫でしたか?」
「大丈夫よ!アレルギーは持っていないわ!なんて気遣いの出来る子なんでしょう!」
「ははは!さすが、彼女が4人いるだけあって、女の扱いがなれてるなー!?調査通り、気遣いのできる子じゃないか、姉さん!?」
「はあ!?彼女が4人!?調査通り?」





ギョッとして、礼儀正しさを吹き飛ばして聞き返せば、同じ顔で舟槙(しゅうま)さんが叫ぶ。






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