彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「おじい様!!その話は禁句です!!」
「あ!?そうだった、そうだった!!わるかったね、凛道蓮クン!!もう調べてないから、安心しな!!」
舟槙(しゅうま)さんの言葉に、祖父である高野槙雄(こうやまきお)さんが誤魔化し笑いをする。
なので私は、釘を刺した。
「無礼を承知で申し上げますが、僕が不愉快に感じる単語が出た時点で帰らせて頂きますので、そのつもりでいて下さい。」
「なっ!?」
私の言葉に、高野槙雄さんだけでなく、湖亀さんもギョッとする。
「不愉快なんて、とんでもないわ!誰も、蓮ちゃんの嫌がることなんて言わないから、側にいてちょうだい!」
「なっ!!?姉さん!?」
「信じますね、湖亀さん。僕の身元調べとか、二三人さん関係の話とか、しないで下さいね。帰りますから。しないで下さいね。帰りますから。本当に帰りますから。」
大事なので3回言えば、槙雄さんがムスッとした顔で言う。
「なんでぃ!!調べられて不都合なことでもあるのかよ!?」
「いや、普通に気色悪いからです。」
「オイオイ、男がケツの穴の小さいこと言うんじゃねぇぞ!!」
「小さいですよ。体のつくりが小さいから、小さいです。帰っていいですか。」
「な、なんだとぉ!?」
数歩後ろに下がれば、ベットに座っていたご婦人が叫ぶ。
「槙雄!!蓮ちゃんを不愉快にさせることを言わないで!」
「不愉快って、こいつ生意気だぜ、姉さん!!」
「槙雄が先に嫌な言い方をしたからでしょう!?昔から、本当に口が悪いんだから!ごめんなさいね、蓮ちゃん!どうか私に免じて、お願いだから、帰らないでちょうだい!!」
「わかりました。湖亀さんの顔を立ててて、槙雄さんが怖いけど頑張ります。」
「なっ!!?それが怖がってる態度かぁ~!!?」
「槙雄!!いい加減にしないと、出て行ってもらうわよ!!」
先ほどよりもきつい口調で姉が言えば、ばつが悪そうな表情になる弟。