彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「っ!?わ、わかったよ姉さん!!くそー命拾いしたな、クソガキめ!!」
「では、そのクソガキからの訂正の申請です。僕に彼女はいません。彼女とされる4名は仲の良い女友達であり、親友です。二三人さんと一緒にしないで下さい。」
「はあ!?男女で親友だと!?男と女の間で友情が成立するわけないだろう!?」
「僕はしてますよ。槙雄さんも、これから先の人生で、成立する可能性がありますよ。」
「ぷっ!?だははは!!そーかい、そーかい!じゃあ、成立したら教えてやるよ~!」
私の言葉に小馬鹿にしたように返事をする舟槙(しゅうま)さんの祖父。
優しい舟槙(しゅうま)さんの血縁者なのか疑ってしまうが、キレ気味だった機嫌が直ったので良しとした。
「大伯母様、蓮クンから頂いたお花、俺が花瓶にいけてきますよ。」
「あら、ありがとう、舟槙(しゅうま)ちゃん。本当に気が利くわね~」
「ははは!姉さん、俺の孫だから当然じゃないか!?優しさの塊でできた、自慢の孫なんだぜ!!」
「あら、お義父さん!私の愛息子だということを忘れないで下さい!!しっかりと、お義父さんを見習うように教育したのは私ですから♪」
「そうだった、そうだった!俺は良い嫁と孫に恵まれたなぁ~♪いや~本当に、舟槙(しゅうま)は、文武両道の上に、性格が最高の最強の孫だ!!」
「おじい様、お母さん、やめてください、恥ずかしいですよ。」
得意げに言う祖父と母に、照れ臭そうにする孫。
「じゃあ蓮クン、俺はちょっと席を外すけど、大伯母様をよろしくね。」
「はい、わかりました。」
そう言うと舟槙(しゅうま)さんは、湖亀さんから花束を受け取り、病室から出て行ってしまった。