彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
(・・・・・・・・・・あれ?私が飲んでいた缶ビールを瑞希お兄ちゃんが飲んでるということは――――――――――――――間接キス!!?)
きゃあああああああああああああああああああ!!!
ウソウソ!!どうしよう!!間接キッスだよ!!
あ~~~~できれば、私がしたかった、間接キス!!
瑞希お兄ちゃんから飲んでるものをもらえばよかった!!
いや、待て!!
(まだ間に合うかもしれない!!瑞希お兄ちゃんとの間接キス!!)
失礼じゃない!?
無礼じゃない!?
でも弟だから許されるかも!?
ええーい!!言わずに後悔するじゃなくて、言って後悔してやるー!!
「み、瑞希お兄ちゃん!!!」
「うお!?どーした、大声出して?」
「ひ、ひひひひひ、一口だけ!飲んでも良いですか・・・・・・・・・・・!?」
〔★凛はラブイベントにチャレンジした★〕
震える指で、瑞希お兄ちゃんが持つ缶を指さしながら聞く私。
これに目を丸くする瑞希お兄ちゃん。
「一口で良いのか?」
「え!!?」
「つーか、もともと凛が飲んでたもんだろう?返そうか?」
「い、いえ!!一口だけでいいんですっ!!」
「あははは!そっかー?じゃあ、一口な?」
そう言って、缶を渡してくる瑞希お兄ちゃん。
それを両手で受け取ると、自然と視線は缶の口へと注がれる。
(ここに、瑞希お兄ちゃんの唇がくっついていた・・・・・・!!)
そこにいまから、私が唇をくっつける・・・・・!!
(そうなれば晴れて、間接キスが成立する!!)
後ろめたい気持ち半分、口づけたい気持ち半分。
恐る恐る口元へと運ぶ。
口づける。
(きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!)
グイッと一口飲んで、口づけたままゴクリと飲み込む。
(やっちまったぜ間接キッスぅぅぅぅぅ―――――――――――――!!!)
言ってよかったぁぁぁぁぁ!!!よくやった私ぃぃぃぃぃ!!!
〔★凛は自画自賛している★〕